元理事長有山 雄基 (7期生)

人と正面から向き合うことの大切さ。
医者という職業に就いて、はじめてそれに気がつきました。

帝塚山学園同窓会会員の皆様にご挨拶を申し上げます。
私は、平成23年3月24日に開催された理事会で、山本順英前理事長の強いご意向に基づく全ての理事のご賛同により、4月1日から3年間の学校法人帝塚山学園理事長に選任されました。

戦後間もない昭和22年に、学園の7期生として新制度の帝塚山中学校に入学し、昭和28年に帝塚山高等学校を卒業しました。そして平成9年から今日まで、14年間理事をつとめさせていただきましたが、母校に対して十分尽くし得たとは言えず、まことに申し訳なく存じております。
学園内外の情況が極めて厳しい中、蛮勇をふるって理事長に就任した次第であります。

学園4期生の山本前理事長は、平成12年10月以来、10年6ヶ月にわたり学園を牽引してこられ、教学面では中学校・高等学校の「スーパー理系選択コースの設置」をはじめ数々の施策を展開され、経営面では学園風土の改革や学園基盤の強化に取り組まれ大きな成果を上げられました。

その後を受け継ぎ、学園を取り巻く環境の変化が激しく、教育機関としてのあり方が問われている我々は、まず、学校法人帝塚山学園の「国家、社会の負託に応える有為の人材を育成する」という建学の理念に立ち戻って改革を進めることが必要であると考えています。

我々が目指すのは、常に新しい文化を創造し、国家をリードしてきた奈良の地にあって、伝統に培われた「教養教育」、社会の負託に応える「実学教育」、そして世界に誇れる「専門教育」によって、日本をリードする総合学園を築き上げることであります。

品性、教養、知性をしっかりと身に付けた人材を育成する総合学園として、日本文化の原点である奈良から、小さくても世界に向かって強く光る存在でありたいと思います。

70年の歴史と伝統を有し、奈良県内最大の規模を誇る帝塚山学園の基礎を築いてこられた先人達に敬意を表し、磐石の学園実現に向けて、質実剛健、つまり、飾り気なく、まじめで、心が強く、身体も健康なることをモットーとして、全力を尽くす所存であります。どうか、同窓会の皆さんのご支援、ご協力をお願い申しあげます。